イキイキ職場を目指す風土改革はメルヘン、現場は迷惑だ

  風土改革には二つあります。現場のコンプライアンス意識を高めるための風土改革と、組織の活性化を目指す風土改革です。

  前者について先日書きました。今日は後者について書きます。

  後者の風土改革は、ほとんどがメルヘンです。大した目的意識も要因分析もされずにスッタフ部門により行われています。「最近は言われたことはするが自主的に活動する力が弱い」、「職場を生き生きさせたい」、「挑戦する風土を作る」など、こんなことを目指して行う風土改革はメルヘンです。なんだか良きことが起こらないかなぁと空想しながら行われます。現場に指示される施策は、討論会や対話会です。

  自主的に活動する組織を何のために目指すのか?利益を上げる会社は自主的な組織なのか?そんなことはありません。力強いリーダーシップのもと一糸乱れず動く組織だって利益を上げます。シャープを買収したホンハイはそういう会社です。サムソンだってそうです。

  自主的に活動する組織を作ることは目的ではありません。会社ならば、利益を上げることが目的でしょう。その風土改革は利益につながるのか?大抵の風土改革活動はそうではありません。

  目的もなく要因分析もなく行われる風土改革は、メルヘンです。“自主的”“生き生き”などポジティブな言葉に思考停止になったスタッフ部門により行われがちです。彼らの言い分もわかります。経営者から風土を変えたいんだよねと分かったような言葉を受けることもあるでしょう。しかし、やらされる現場は迷惑です。成功事例の資料を読まされる勉強会に時間を使わされ、得るものがない。

  風土改革に得るものなし。何故なら、現場に自主性が無かったり、生き生きしてなかったりするのは、管理職に問題があるからです。必要なのは現場ではなく経営者・管理者の意識改革です。