謙遜と反省は、今の自分を否定している

 

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 うつ病になる人は特定の思考パターンがあると言われています(詳しくは、「いやな気分よ、さようなら 」と言う本を参照ください)。このエントリは、思考のクセの中の思考のフィルターと呼ばれるものについて、具体例を用いて説明しています。

 

 思考のフィルターとは、出来事には良い面と悪い面があるのに、悪い面だけを見てしまうことを言います。上のエントリではそれを「謙遜」という言葉で表現しています。

 

 思考のクセというやつは厄介ですが、どうしてそんなクセが付くのでしょう?

 それは親や社会の圧力から思考のクセが付きます。日本人は「謙虚」な態度が好きです。褒められてもそれを真に受けず、「イエイエそんなことはありません自分なんてマダマダデス」というやつです。たいていの人は、こう言いながらも内心は「俺ってすごいぜ」と思っているのですが、中には本当に「自分なんてまだまだです」と思ってしまう人がいます。

 「反省」も思考のクセをつけます。テストで80点を取ったときに、間違えた20点を気にする、どこを間違えたのかと反省することを学校や先生は私たちに押し付けてきます。大抵の人は反省したふりをするものの内心「80点も取ったんだからいいじゃん」と思うのですが、中には本当に「20点分間違えたのはなぜだろう?」と考えています。ちなみに「反省」に対応する英語を私は知りません。日本人ならではなのでしょうね。

 

 向上心は、現在の自分の否定と紙一重です。こんな人になりたい、という思いは、現在の自分ではダメだと思っているのです。80点を取ったとき、どうしたら100点取れるんだろうかと「反省」しているとき、80点の自分を否定しています。

 できたことではなく、できなかった部分に注意を向ける、それが「反省」です。他人からすごいねと言われたことを否定する、それが「謙遜」です。日本の文化なのでしょうか?できなかったことに意識を向ける圧力が大きい気がします。

 こんな圧力にさらされて育てば、思考のクセもつき、うつ病になるでしょう。

 

 向上心って今の自分の否定につながっています。「現状に満足したらおしまい」、「もっと上を目指せ」、「負けん気」、「悔しさをバネに」など、今の自分を否定する圧力が日本には溢れています。

 「謙遜」や「反省」を例にすると分かりやすいのですが、こういった圧力が表向きは美徳、つまり良いことのように思えるため、騙されやすい。それは今の自分を否定させている、ことに気づかない。良い部分ではなく、悪い部分をもっとよく見ろ、親や先生は君に言っている。

 

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