バラの殺虫剤の良く効く選び方、ローテーションも考えて

 バラを育てていると、病気と害虫対策が必要になります。無農薬にこだわる方もいらっしゃいますが大変な手間がかかりますので、私は農薬を使います。

 病気に関しては、黒星病とうどん粉病に注意していればほぼ大丈夫です。使用する薬剤については別エントリにまとめています。

バラの消毒薬の選び方、ローテーションも考えて - kotaのブログ (hatenablog.com)

 

 本記事では、害虫対策についてまとめていきます。

 

バラに付く害虫と対策

バラにつく虫はたくさんいて、

  • アザミウマ(スリップス)
  • アブラムシ
  • カイガラムシ
  • カミキリムシの幼虫
  • コガネムシの幼虫
  • ハダニ
  • バラゾウムシ
  • ホソオビアシブトクチバ
  • ヨトウガの幼虫
  • チュウレンジハバチ

 

これらの虫を、バラに対する被害度と、薬剤の効き具合、私の対策方法をまとめると下のようになります。

害虫の被害度と薬剤の効き具合と対策
被害度 薬剤の効きの良さ 対策
アザミウマ(スリップス) × 放置
アブラムシ 放置
カイガラムシ × みつけたら
ブラシでこすって落とす
カミキリムシの幼虫 × 無し
コガネムシの幼虫 薬剤
ハダニ × 薬剤
バラゾウムシ 薬剤
ホソオビアシブトクチバ 薬剤
ヨトウガの幼虫 放置
チュウレンジハバチ 放置

 

 アザミウマは、薬剤が効きづらく困った虫ですが、被害は花の見栄えが悪くなる程度と小さいので、私は放置しています。

 アブラムシも基本放置なのですが、バラゾウムシ対策に使う薬剤が大抵アブラムシもやっつけてくれています。

 カイガラムシは、基本放置ですが、気づいたら歯ブラシでこすり落としています。

 カミキリムシの幼虫は、基本打つ手なしです。私の育ててているバラは大抵カミキリムシの幼虫によって枯らされてます。忌避剤として効く薬は無く、産み付けられた卵から孵った幼虫がバラの幹に入って中を食い荒らすため、割と簡単にバラを枯らします。困ったものです。

 ハダニは、昆虫ではなくクモの仲間なので、昆虫向けの薬品は効きません。また、薬品への耐性がすぐ付くので防除が難しい。環境が悪いと瞬く間に広がって葉が悪くなり樹勢が落ちる厄介な害虫です。

 コガネムシの幼虫は、ダイアジノン・オルトランDX・ベニカXガード粒剤などが効きます。コガネムシの幼虫はバラの根を食い尽くすため発見が遅れるとバラが枯れます。そのため、産卵期の8月、9月、10月はこれらの薬品は必須です。

 バラゾウムシとホソオビアシブトクチバは、蕾を害するので、蕾の上がってくる4月頃だけ薬剤を撒くようにしています。

 ヨトウガの幼虫とチュウレンジハバチは基本放置ですが、バラゾウムシ対策に使う薬剤が大抵これらもやっつけてくれます。

 

使用する薬剤、ローテーションも考えて

 結論から言うと、ベニカXガード粒剤、GFオルトラン粒剤、ベニカVスプレーを使うのが良い。

 虫は薬品に耐性が付くため、同じ系統の薬を繰り返し使うのは良くありません。例えば、クロアチニンというネオニコチノイド系の薬剤は使って良いのは年4回までです。これ以上繰り返し使うと、虫が耐性を持つためその薬剤が効かなくなります。

 

  使い方としては、ベニカガードX粒剤とGFオルトラン粒剤を一か月毎に交互に使いってほとんどの虫を抑え、ハダニが出た際にはベニカグリーンVスプレーで対策です。ただし、ダニは爆発的に広がるのを防ぐための一回限りの使用にとどめて後は葉水などで対処するのが良いです(ハダニは、薬で対処しようとせずにバラの周囲の環境を変える方が効果的です)。

 

商品名 成分名 使用回数
ベニカガードX粒剤

クロチアニジン[虫:ネオニコチノイド系]

BT[菌:天然物由来]

4回/年以内
GFオルトラン粒剤 アセフェート[虫:有機リン系] 5回/年以内
ベニカグリーンVスプレー

フェンプロパトリン[虫:ピレスロイド系]

ミクロブタニル[菌:EBI 剤(ステロール生合成阻害剤)

5回/年以内

 

まとめ

 バラの害虫対策として薬剤を使うとき、同じ薬品を使い続けると虫が耐性を持ってくるため、その薬品が効かなくなります。また、例えば、ベニカガードX粒剤、オルトランDX、ベニカXファインスプレー、ベニカXネクストスプレーなどは、商品名は異なるがその成分はクロチアニジンを含む。そのため、これらの商品を使い分けても、やがて薬は効かなくなります。

 これを避けるためには、ベニカガードX粒剤、GFオルトラン粒剤、ベニカグリーンVスプレーを使い分けるのが良い。