夏の福島旅行

 夏休みに、福島県に行ってきた。なぜ福島かと言えば、夏の沖縄は台風が多くて予約を入れるにはリスキーだし、海外は円高のせいでコスト高だから。こういった消去法で物事を決めるのは、良いやり方じゃない、残り物に福があるとは限らない。

 2011年の東北震災から早12年経った。コロナ禍の旅行自粛もあって、福島に行くのはすごく久しぶりだ。この前、行ったのは15年前だろうか。

 15年ぶりの福島はとても楽しかった。特に楽しかった点を3つ挙げれば

  • 小名浜港の遊覧船サンシャインシーガルに群がる海鳥が、餌を求める池の鯉のようで大笑いした
  • 道の駅 猪苗代で食べた蕎麦が抜群においしかった、会津若松の七日町通で食べたソースかつも抜群においしかった
  • 会津若松の観光名所が、戊辰戦争・白虎隊などの幕末関連ばかりだが、その理由が分かった気になった。会津藩は保守的で、関東より北で珍しい旧幕府派だったからだと思った。

 

小名浜港の遊覧船サンシャインシーガル

 「小名浜港」という名前を、東北震災関連のニュースでよく耳にした。ニュースでよく取り上げられた理由を改めて深堀りしてみると、どうやら、小名浜港は復興のシンボルとして扱われていたようだ。福島第一原発から近い場所なので、放射線被害なのかと勝手に思っていたのですが、実際は違って、津波被害を港が受けたようです。それが、大型商業施設「いわき・ら・ら・ミュウ」や水族館「アクアマリンふくしま」やイオンがオープンして復興のシンボルとなったということです。

小名浜港

小名浜港の商業施設

 

 さて、本題の遊覧船サンシャインシーガルですが、船上で鳥たちにあげる餌を売っています。鳥たちは、遊覧船が動き出すと餌をもらえることを知っており、出航時間が地近づくにつれ鳥たちが集まってきます。出航前は船の近くの海面で待っているのですが、船が動き出すと一斉に飛び立ち船を追ってきます。さながら、餌を求める池の鯉のようで、面白い。

出航する遊覧船を追って飛び立つ鳥たち

 

道の駅 猪苗代の蕎麦と、会津若松七日町通りのソースかつが美味しい

 道の駅猪苗代の良いところは3つ。機会があればまた行きたい場所です。

  • 蕎麦が美味しい
  • 磐梯山が良く見える
  • 猪苗代湖が近い

 

 蕎麦が美味しい。さわやかな風味が上品で、東京でもなかなか食べられないレベルのおいしさでした。ここのレストランでは、蕎麦かソースかつ丼が主なメニューになり、私は両方食べましたが、断然蕎麦がおすすめです。

 

 道の駅猪苗代からは磐梯山が良く見えます。空の青色が濃いうえに、空気の流れのせいか雲が磐梯山から湧き上がり見事な風景でした。 

道の駅 猪苗代から見る磐梯山

 

 会津若松の観光地と言えば猪苗代湖ですが、この猪苗代湖まで近い場所に道の駅があり、ちょっと寄っていくのに便利な場所です。猪苗代湖に行くと、期待通り白鳥が浮かんでいました。普通の湖だと小さな白鳥ボートですが、猪苗代湖では大きな白鳥遊覧船が浮かんでいました。

白鳥遊覧船の浮かぶ猪苗代湖

 

会津若松の観光名所が、戊辰戦争・白虎隊などの幕末関連ばかりだった

 歴史を振り返ると、会津若松観光はぐっと楽しくなります。幕末のころ、長州藩と薩摩藩を中心とする新政府が、徳川の旧政府と争い、明治政府ができました。新政府側の長州藩は今の山口県、薩摩藩は鹿児島県であることからわかるように、西日本が舞台でした。大政奉還や江戸城無血開城などあって、無事明治政府ができあがったように思いますが、実は、新政府と旧政府の残党の戦争がしばらく続きます。これが戊辰戦争です。ここで旧政府軍についたのが、会津藩、今の会津若松で、周囲の水戸藩などはみな新政府側につき、会津藩は孤軍奮闘しました。

 会津若松の殿様の家訓15か条というものがあって、これが儒教的で面白い。この儒教は、年寄りに従え、上役に従えという教えで、江戸幕府が体制維持に役立つということで導入した教えであり、これをしっかり守っていることも面白い。会津藩が旧幕府側についたのもこの影響でしょう。

 

「会津家訓15カ条」
一、大君の儀、一心大切に忠勤を存すべく、列国の例を以て自ら処るべからず。若し二心を懐かば、則ち我が子孫に非ず、面々決して従うべからず。
一、武備は怠るべからず。士を選ぶを本とすべし。 上下の分、乱るべからず。
一、兄を敬い、弟を愛すべし。
一、婦人女子の言、一切聞くべからず。
一、主を重んじ、法を畏るべし。
一、家中は風義を励むべし。
一、賄を行い、媚を求むべからず。
一、面々、依怙贔屓すべからず。
一、士を選ぶに便辟便侫の者を取るべからず。
一、賞罰は家老の外、これに参加すべからず。若し出位の者あらば、これを厳格にすべし。
一、近侍の者をして、人の善悪を告げしむべからず。
一、政事は利害を以って道理を枉ぐべからず。僉議は私意を挟みて人言を拒むべらず。思う所を蔵せず、以てこれを争そうべし。甚だ相争うと雖も我意を介すべからず。
一、法を犯す者は宥すべからず。
一、社倉は民のためにこれを置き、永く利せんとするものなり。 歳餓うれば則ち発出してこれを済うべし。これを他用すべからず。
一、若し志を失い、遊楽を好み、馳奢を致し、土民をしてその所を失わしめば、則ち何の面目あって封印を戴き、土地を領せんや。必ず上表して蟄居すべし。

  右十五件の旨 堅くこれを相守り以往もって同職の者に申し伝うべきものなり
  寛文八年戊申四月十一日 会津中将 
                   家老中

(会津家訓(かきん)15カ条 | 八重が学んだ「精神」 | 八重のふるさと、福島県 (yae-mottoshiritai.jp)より)

 

ちなみに、4つ目の「婦人女子の言、一切聞くべからず。」というのは、今の多様性の時代からすると、すごいことを言ってますね。

 

まとめ

 夏の旅行に久しぶりに福島県に行ってきた。

  • 小名浜港の遊覧船サンシャインシーガルに群がる海鳥が、餌を求める池の鯉のようで大笑いした
  • 道の駅 猪苗代で食べた蕎麦が抜群においしかった、会津若松の七日町通で食べたソースかつも抜群においしかった
  • 会津若松の観光名所が、戊辰戦争・白虎隊などの幕末関連ばかりだが、その理由が分かった気になった。会津藩は保守的で、関東より北で珍しい旧幕府派だったからだと思った。

 

おまけ:旅の記録

 旅の記録を残しておきます。

 

一日目

 小名浜港へいき、いわき・ら・ら・ミュウで遊ぶ。

いわき・ら・ら・ミュウ

 

夜ご飯は、小名浜港のイオンモールで台湾点心。

台湾点心で夜ご飯

 

 宿は、小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブ。ここは、ゴルフコースが隣接していて、宿泊客にがちゴルファーがいて面白かった。

小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブ

朝食バフェは、和食でまとめた

 

二日目

 小名浜遊覧船サンシャインシーガルに乗り、会津若松へ移動。

 途中、道の駅 猪苗代湖で昼ご飯を食べ、そのあと猪苗代湖を見る。なぜか無性に赤べこが欲しくなって、民芸品の笑美さんに寄って赤べこを買った。

 会津武家屋敷に閉館30分前に滑り込み、大急ぎで回りました。ここでさらに良い赤べこをみつけてまた買ってしまった。

 ここには、西郷四郎の山嵐の銅像があり、投げられている人が真っ逆さまになっていてとてもダイナミック。インパクトのある銅像だ。山嵐とはこんなに危険な技なのだろうか?

投げられてる人に注目

 

 宿は、御宿東鳳。立派なところだった。食事が美味しいところで、初めてネギ蕎麦というものを食べた。付属のネギで蕎麦をすくって食べるそうだが、このネギはどのタイミングで食べればよいのだろうか?

御宿東鳳

ネギ蕎麦、このネギはいつ食べればよいのだろうか?

 

三日目

 鶴ヶ城(会津若松城)の天守閣に登りました。会津藩を収めた蒲生家の兜がてんじされていて、抜群に面白かった。ドラゴンボールのセルのように大きく突き出た二本の角は、どうすればこんなデザインになったのか当時の人に聞いてみたい。

蒲生家の兜

 このデザインは、会津の人には親しまれているようで、様々なところで見かけます。例えば、旗に描かれている武者はこのとんがり帽をかぶっていたります。

旗にもとんがり帽が描かれている

 

 その後、新鶴ワイナリーを見学して、七日町通りの会津よろづやさんで昼ごはんを食べました。ここのソースかつは美味しかった。

新鶴ワイナリー

会津よろづや

ソースかつバーガー、美味しかった

 

 昼ご飯を食べた後は、家路にむかいました。

 

おまけ

 旅行で買った赤べこさん達はゆるゆる首を振っています。

赤べこさん達