「四つの約束」:正しい言葉を知れば気持ちが楽になる、正しい言葉とはポジティブな言葉ではない。

 元K1ファイターであり、今はマルチタレントとして活躍している須藤元気さんが、「四つの約束」を紹介していた。私も8年前からこの本を何度も読み返しています。不満が溜まらない心構えを知るには良い本です。

 周囲の人間から嫌なことを言われたことありませんか?ネットで嫌な書き込みにあったことはありませんか?

 この本を読み返していると、嫌なことを忘れることができます。

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 しかし、この本には分かりづらいところがあります。特に第一の約束「正しい言葉を使うのが」の部分、「正しい言葉」とは何か? これがポイントなんですよね。

 他の本を読んだりして8年間考えていると、少し整理できましたので、書いてみます。

 

「四つの約束」の概要

 簡単に概要を書いておきます。 

 人は生まれて成長する過程で社会に合うように教育されます。これを「飼いならしのプロセス」と呼んでいます。

 日本だと親が子供を叱るときに「見てごらん、誰もそんなことしてないよ」など言いますよね。こうやって段々と「私は、人と違ってはいけない」という考えが心にこびりつきます。自分がこれは当然なのにと思っている思っていることは、ただの思い込み・育つ過程での刷り込みに過ぎません。

 この思い込みに縛られていると様々なことが不満に思えてきます。思い込みと不満の関係は「反応しない練習」に詳しいですよ。

 人が悩んでしまう理由の一つは、「判断しすぎる心」にあります。  「判断」とは、この仕事に意味があるとかないとか、人生は生きている値打ちがあるとかないとか、彼と自分を比較すれば、どちらが優れている、劣っているといった「きめつけ」「思い込み」のことです。 

反応しない練習  あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」

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 この刷り込みから自由になるための心構えが四つの約束です。

 具体的には「正しい言葉を使う」「個人的なこととして捉えない」「思い込みをしない」「ベストを尽くす」です。

 この中の「正しい言葉を使う」は、何が正しい言葉なのか本の中でははっきり書かれていません。以下のように記されていますが、これでは曖昧でよく分かりませんよね。

 ここで正しい(インペッカブル=罪が無い)とはどのような意味か、見てみよう。正しい、ということは、罪が無いということである。宗教は、いつも罪や罪人について語っている。しかしここで、罪とは何かについてはっきりさせておきたい。罪とは、自分が自分に対して背くような行いの全てである。あながた感じること、信じること、話すことに対して背くような行いの全てである。

 

 正しい言葉とは?

 正しい言葉とはあるがままを表す言葉です。

 「反応しない練習」を読むと、「正しい言葉」とはなにか分かってきます。

 「正しい理解」とは、「自分が正しいと考える」ことではありません。(中略)

 むしろ逆に、「自分はこう考える」という判断や、解釈や、ものの見方を一切差し引いて、「ある」ものを「ある」とだけ、ありのままに、客観的に、主観抜きの”ニュートラル”な目で、物事をみすえることを意味しています。

 「正しい理解」に「反応」はありません

  例えば、蚊に刺されてかゆいときに、無性に書きたくなりますよね。そういうときに肌の痒みを感じる、ただ痒みを感じるだけにとどめておく。かかなきゃとか、しまった蚊に噛まれたとか、痒みから引き出される反応とを分けます。

 人は、外部からの刺激に対して無意識に反応しています。その反応は自分で思っているよりも大きく、無意識に行われています。「嫌な気分よ、さようなら」では、この自動思考(無意識の反応)についてその気づき方と止め方について詳しく書いています。アメリカ人が書いた本らしくハウツー本としてしっかりしています。

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 例えば、誰かに叱られたとき、むかつくとか、自分は悪くないとか思いますよね。ポジティブ思考に慣れた人なら、自分のために叱ってくれてありがたい、と思うでしょう。これらはすべて「正し」くありません。

 「正しい言葉」とは、彼は私にこう言ったことを言った、それを聞いて私は嫌な気分になっている、といったありのままを述べる言葉です。自分のために叱ってくれてありがたいといった、ポジティブな態度がなぜ正しくないのでしょう? それは、嫌にな気分になっている自分の気持ちに背くからです。ただ、自分の気持ちをありのまま観察することが「正しい」言葉に近づくコツです。このあたりは「反応しない練習」に詳しく書いています。

 

まとめ

 嫌な気分になったとき、私は、四つの約束を思い出すようにしています。

 「四つの約束」「反応しない練習」「嫌な気分よさようなら」、この三つの本は国も作者も異なるのに、「正しい言葉」について同じことを述べています。

 「正しい言葉」とは、自動思考しない、無理にポジティブでもない、ありのままを客観的に見つめて表現する言葉です。