バラを育てるのは簡単だ。
ただし、その情報はネットにはない。ネットを探して見つかるのは、すごく手間をかけてすごく良く育てる方法ばかり。「プロだけが知っている○○」というやつを筆頭に、100の手間をかけて100点の花を咲かせる方法ばかりがネットに載っている。そこまで手間をかけられる人は殆どいない。
仕事や家事そして趣味に忙しいあなたに必要なのは、50の手間をかけて80点の花を咲かせる方法だろう。
私は、2011年からバラを育てて今年で12年目だ。最初のころは100点の花を咲かせようとしていたが、80点の花なら半分の手間で咲くことに気づいた。ここでは、そのコツを書いていく。
バラ選び
簡単にバラを育てる最大のコツは、バラ選びにある。大きくなるバラは手間がかかるので、つるバラは避けた方がよい。木立性と言われる、樹高が1.5メートル程度の品種を選ぶのが楽だ。
また、昔のバラは病気に弱かったが、最近の品種は病気に強いものが多い。私が育てたことのあるバラでは、シェエラザードがお勧めだ。病気にもかかりづらく、良く育つ。また、ロサオリエンティスシリーズのシャリマーも評判がよい。
バラの苗には、大苗と新苗の2種類あるが、大苗を選ぶのがお勧め。新苗よりも二千円程度高いけれど、新苗よりも丈夫で育てるのが楽だ。
道具選び
鉢は、プラスチック鉢と素焼きの鉢(テラコッタ)の2種類あるが、プラスチック鉢が楽だ。素焼きの鉢は重いため、場所を移動させたり土替えをしたりと後の作業が大変だから。大きさは8号鉢を選ぶとよい。
剪定ハサミは、2000円程度のものを選ぼう。1000円以下のものは切れ味が悪く、作業がつらくなる。
バラは、ほぼ確実に病気(うどん粉病、黒点病)になる。また、害虫もつく。このため、殺虫殺菌剤が必要だ。お勧めは、住友化学園芸 殺虫殺菌剤 ベニカXガード 粒剤だ。これは、2021年に発売された最新の薬剤で、私のシェエラザードに使ったところ、病気はほぼ出なかった。
土は、良いものを使おう。20Lで600円以上のものを買うとよい。土の良し悪しは、バラの育ちに良く効く。バラの専用培養土を使うとよいだろう。
肥料は、高いものも安いものも効果にさほど違いはないようだ。有機肥料は、気温によって施肥量を変えないといけないので面倒だ。化学肥料が使いやすい。化学肥料を使うと土が硬くなるという人もいるが、どうせ土替えを冬にするので気にしなくてよい。
じょうろは、大きなものがよい。2~5Lの大きさがあるとよい。大きさがあればよいので、2Lのペットボトルでも構わない。
8号鉢といった大きな鉢の水やりは実は難しく、水をやり過ぎて根腐れさせることが多い。水分計のサスティを手に入れておくと、水やりで失敗することがなく簡単だ。
ふだんの世話
バラや道具がそろったら、日々世話をするだけだ。
水分計に従って水をやり、定期的に肥料をやるだけ。肥料に関しては、お礼肥えや寒肥など複雑なことを言う人が多いけれど、3月から11月までの期間、定期的に肥料をやるだけでよい。
剪定も簡単だ。花が散ったら花の下で切るだけでいい。ネットには鉛筆の太さで切るとか、5枚葉の場所で切るなど書いてあるけれど、良いバラは切る場所を気にしなくても良く咲く。
冬の土替え
1月になったら、鉢の土を変えよう。土を変える2週間以上前に、バラの葉をすべてむしって取っておくと、作業がやりやすい。
バラの株を鉢から抜く前に、枝を短く切り落とそう。シェエラザードの場合、地際から30センチメートルのところで切るとよい。切る場所も難しく考えなくてよい。浅く切っても、深く切っても、良いバラは春になったらちゃんと咲く。
まとめ
ネットにある情報は100点満点の花を咲かせようとするものばかり、しかし100点の花を咲かせるのは手間もかかって大変。発想を変えて80点の花を目指せば手間は半減する。良い品種を選べば、かなり手を抜いてもちゃんと咲く。
肥料や鉢は安いもので十分。花に影響しない。そのかわり、土とハサミにはお金をかけるよう。また、病気にならないよう、ベニカXガード 粒剤を1.5か月毎に株元にまけば大丈夫。